唐突に江戸時代設定

*MSNメッセンジャーで会話していたら作り出されたものです。あんまり真剣に考えてません。

夕歩:一国一城の主の一人娘。
順:夕歩にお仕えする忍者

夕歩姫は幼い頃から一緒にいる従者の順のことがいつの間にか好きになっておりました。
あれやこれやと話をしたりイロイロするわけですが忍者順はあくまでも家来でございまして、君臣の分を分つといいますか、身分をわきまえてございます。
そんな順に夕歩姫は痺れを切らして命令。部屋に入って話し相手になってとか言いだします。
姫様の命令ですので渋々中に入るわけですがやっぱりちょっと距離を置いて話をしていました。そんな日が幾日も続きました。
そしてそして、ある日のことでした。順はいつものように姫のご命令で一緒に部屋の中におりました。
なんだか今日は夕歩姫の様子がおかしいのです。
「姫、いかがなされましたか?」
訊いても夕歩姫は答えません。もともと身体のお弱い方でしたので順は少々心配になり、失礼してお身体を支えました。すると…
「順…」
潤んだ目で見つめられて順はどきりとしました。自制心自制心。心の中で唱えますが夕歩姫の美しさ、可愛らしさにはいつも目を奪われておりましたのでドキドキドキドキ。
どうかなさいましたか?と訊くと姫はいきなり順に抱きついたのであります!
ど、どうしたら……。慌てる順は姫の着物が少しはだけられていることに気がつきました。そしたらもう大変、そこから目が離せません。
ましてや姫の芳しい香りが鼻先をくすぐっては鉄の自制心もどこへやら。
順は恐る恐る姫の細いお身体を抱きしめたのであります。
「姫…」
耳元で囁くと夕歩姫はびくりと反応し、順の肩に顔を埋めました。順の目の前には姫の項が。
嗚呼、臣下でありながら順は姫と恋におちてしまったのです。


そもそも夕歩姫の御両親は御城主とその奥方様。何かと忙しく、夕歩姫と過す時間は少ないのです。
しかし順は夕歩姫と常に一緒におりまして、姫にとって最も心許せる人だったのです。


夕歩姫は一つ不満がございました。それは順が自分を姫、もしくは姫様としか呼ばないこと。
順が姫と呼ぶたびに、自分と順の身分の差を思い知るのです。
もっと対等にいたいのに。
そのうち夕歩姫はそう呼ばれるのがイヤになって、こう言い出しました。
「二人のときくらいは名前で呼んで…」
しかし順はいつも、
「あたしは姫にお仕えする身ですから」
と、答えておりました。…布団の中で(笑)
「でもさっき呼んだじゃない」
布団の中で。
えー、先程モニョモニョ…の時にうっかり呼んでしまったのです。
順は自分で気付いておりません。
「いつ?」
「いつって…さっき…」
赤面夕歩姫。順は
「さっきって…」
ハッと気がついてこっちも赤面。
「す、すみません!つい…」
「嬉しかったのに…」

***************

綾那:静馬家お抱え剣士(城下警邏担当。順とは昔からの知り合い)
ゆかり:城下町の富豪の娘
槙:ゆかりに仕えている護衛係
はやて:町のガキ大将。明るくて元気

綾那は城下町の治安を守るため、毎日警邏を行っております。
時々町の顔役であるゆかりの父に会いに行き、そのついでに娘のゆかりにも挨拶をするうちに二人は仲良くなりました。
ゆかりは綾那のことが気になっていて、よくお茶出したりするのですが仕えてる槙はいつもちょっと複雑な顔でそれを見ております。
「あのような者と関わるのは危険だと思うのですが…」
「あの方は良い人よ。そのようなことを言うものではないわ」
「申し訳ありません…」
項垂れる槙。しかし、
「心配してくれてありがとう」
と、にっこり微笑まれるともうそれだけで幸せになっているのでした。

はやてと綾那の出会いは、ある日町中でガラの悪いのに絡まれている町娘を綾那が助けた時。
刀を抜かず、素手でばったばったと薙ぎ倒す綾那を見て、それ以来一方的にはやてがくっ付いてきているのでした。
はやては寺子屋に通っているのですが、いつも悪戯して先生に怒られております。しかし明るいはやては年下の子どもたちにとても人気がありました。
いつの間にか付き人のようになっているはやてに、ウザいと思いながらも仕方なく子分として扱ってやる綾那なのでした。

***************

ひつぎ:隣国の城主の娘(むしろ城主でも可)
静久:ひつぎの従者

時々、順と綾那が使者になり、挨拶に行きます。そしてそのたびに、よくわからん南蛮渡来ちっくなお土産を下さるのです。
順はもらってきた妙なお香のようなものを夕歩姫に献上したのですが、それは実は媚薬だったのです(笑)
夕歩姫はそれを普通のお香だと思って焚いてみたんですが、まあなんというかモヤモヤしてきて。一緒にいた順もモヤモヤ。
きっと翌朝は二人とも起きられません。
それでも職務のため必死で起きる順。しかし
「姫、起きてください」
とか言っても昨夜あれやこれやあったものでまだ寝ぼけている夕歩は順の首に腕を巻きつけて
「順…」
と、それはもうぞくぞくするような声音で名を呼ぶのでした。
数時間後。
順は妙に疲れていて、会う人みんなにどうしたの?と訊かれていました。
綾那にもどうした?と訊かれて物凄く困る順。それで逆に訊いてみました。
「この前貰ってきたお香どうした?」
「染谷のお屋敷のゆかりさんにあげた」
ゆかりは、きっと次にお屋敷に来たとき焚こうとか思っています。
もしくはどんな香りなのかしらと思って槙と一緒のとき焚いちゃったりしてもいいと思います。
「どうしたの?顔が赤いわ」
商人の娘のゆかりはそのお香みたいなのが何か知ってたり。
「え、いえ、なんでもありません」


落ち無いまま終わる。

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