聖さま☆日記
○月×日
朝。ぽふぽふ、と軽く布団を叩かれて目が覚める。
目を開けると眩しい蛍光灯の明かりと共に、見えたのは蓉子の顔。
優しげに目を細めて「起きて」と言われた。
ああ、こりゃ夢だなと思ってもう一度目を閉じて布団を被りなおす。
すると今度はちょっと乱暴に叩かれた。痛い。
どうやら夢じゃなかったらしい。
仕方なくベッドを抜け出そうとすると、今度は頭をポカッ、とやられた。
「あなたその格好で堂々と起きられるつもり?」
…あーはいはい。すみませんね。忘れてましたよ。服を着るのを。
「昨日はかわいかったのに」
ボソリと言ってみたら睨まれた…けど私が床に落ちた服に手を伸ばしているのを見ると慌てて後ろを向く。
いったいいつになったら慣れるんですか蓉子ちゃん?
まあそんなところもかわいくていいんだけどね。
あ、これはノロケか。失敬。
昼。今日は天気が良かったので某都立公園でデート。
ちなみにご飯は蓉子ちゃんが作って……くれなかったので近くのコンビニ弁当だったのはちょっと悲しい。
芝生に座って食べていると近くに猫がいた。じーっとこっちを見ている。
なんだなんだ。食べ物が欲しいのか?
するとその猫は背中が痒いのか、ころころと芝生の上を転がり始めた。
…かわいい。
お腹の毛とかやわらかそうでさわりたいなーとか思ってしまった。
そしたら蓉子が「飼いたい」とか言いだした。
マジかい。とか思っていると蓉子はさっさとその猫を抱き上げて園内のスタッフのところへ。
聞いたところによるとやはりこの猫は野良らしい。
「ふふ。あなた今日からうちの子よ」
おいおい。私の意志は無視ですか。
しかし名前何にしようかしら、とか言ってる蓉子はめちゃくちゃかわいい。
そんなわけで車に乗せて帰った。
夜。うちで飼われることになった猫は蓉子の膝の上で寝ている。
くっ…そこは私の指定席なのに。
「聖、火は大丈夫なの?」
ブツブツ言いながら包丁でザクザク野菜を切っていると注意された。
ああ、吹きこぼれ…。
なんだか蓉子をとられたようでちょっとだけ憎らしい。あの猫。
にゃ~ん。
いつの間にか足元にやってきた。
ふ…大人になれ、佐藤聖。猫に嫉妬してどうする。
そう言い聞かせてみるものの、まとわりついてくる猫は非常に鬱陶しい。
踏みたい気持ちになってくるのはどうしようもない。
無意識に踏もうとして足を上げた時、背後に嫌なオーラを感じた。
「……」
無言なだけに怖い。ああ、猫め。
せめて別の部屋で寝てもらおう…猫め……。
夜中。必死で説得した甲斐あって、猫にはリビングで寝てもらうことに。
どうして私が猫一匹のために我慢しなければならないというのか。
別に私は猫がいようがいまいがいいけれど蓉子は絶対嫌がるだろうし。
……。
一線交えた後。ぼーっとしていると、どこかから妙な音がした。
ガリガリ…。
思わず顔を見合わせる。って、これはもしや爪とぎの音?
慌ててシャツを羽織り、側に転がっていたジーンズを穿いて部屋の外へ。
ハロー、にゃんこ。
……じゃなくて。なんでキミは廊下にいるのだね?
そうかそうか。リビングのドアは引き戸だったよね。うんうん。
見ると引き戸の端っこに爪あとが。
「やられた……」
これからコイツと仲良くやっていけるのだろうか?
ちょっと、不安。
朝。ぽふぽふ、と軽く布団を叩かれて目が覚める。
目を開けると眩しい蛍光灯の明かりと共に、見えたのは蓉子の顔。
優しげに目を細めて「起きて」と言われた。
ああ、こりゃ夢だなと思ってもう一度目を閉じて布団を被りなおす。
すると今度はちょっと乱暴に叩かれた。痛い。
どうやら夢じゃなかったらしい。
仕方なくベッドを抜け出そうとすると、今度は頭をポカッ、とやられた。
「あなたその格好で堂々と起きられるつもり?」
…あーはいはい。すみませんね。忘れてましたよ。服を着るのを。
「昨日はかわいかったのに」
ボソリと言ってみたら睨まれた…けど私が床に落ちた服に手を伸ばしているのを見ると慌てて後ろを向く。
いったいいつになったら慣れるんですか蓉子ちゃん?
まあそんなところもかわいくていいんだけどね。
あ、これはノロケか。失敬。
昼。今日は天気が良かったので某都立公園でデート。
ちなみにご飯は蓉子ちゃんが作って……くれなかったので近くのコンビニ弁当だったのはちょっと悲しい。
芝生に座って食べていると近くに猫がいた。じーっとこっちを見ている。
なんだなんだ。食べ物が欲しいのか?
するとその猫は背中が痒いのか、ころころと芝生の上を転がり始めた。
…かわいい。
お腹の毛とかやわらかそうでさわりたいなーとか思ってしまった。
そしたら蓉子が「飼いたい」とか言いだした。
マジかい。とか思っていると蓉子はさっさとその猫を抱き上げて園内のスタッフのところへ。
聞いたところによるとやはりこの猫は野良らしい。
「ふふ。あなた今日からうちの子よ」
おいおい。私の意志は無視ですか。
しかし名前何にしようかしら、とか言ってる蓉子はめちゃくちゃかわいい。
そんなわけで車に乗せて帰った。
夜。うちで飼われることになった猫は蓉子の膝の上で寝ている。
くっ…そこは私の指定席なのに。
「聖、火は大丈夫なの?」
ブツブツ言いながら包丁でザクザク野菜を切っていると注意された。
ああ、吹きこぼれ…。
なんだか蓉子をとられたようでちょっとだけ憎らしい。あの猫。
にゃ~ん。
いつの間にか足元にやってきた。
ふ…大人になれ、佐藤聖。猫に嫉妬してどうする。
そう言い聞かせてみるものの、まとわりついてくる猫は非常に鬱陶しい。
踏みたい気持ちになってくるのはどうしようもない。
無意識に踏もうとして足を上げた時、背後に嫌なオーラを感じた。
「……」
無言なだけに怖い。ああ、猫め。
せめて別の部屋で寝てもらおう…猫め……。
夜中。必死で説得した甲斐あって、猫にはリビングで寝てもらうことに。
どうして私が猫一匹のために我慢しなければならないというのか。
別に私は猫がいようがいまいがいいけれど蓉子は絶対嫌がるだろうし。
……。
一線交えた後。ぼーっとしていると、どこかから妙な音がした。
ガリガリ…。
思わず顔を見合わせる。って、これはもしや爪とぎの音?
慌ててシャツを羽織り、側に転がっていたジーンズを穿いて部屋の外へ。
ハロー、にゃんこ。
……じゃなくて。なんでキミは廊下にいるのだね?
そうかそうか。リビングのドアは引き戸だったよね。うんうん。
見ると引き戸の端っこに爪あとが。
「やられた……」
これからコイツと仲良くやっていけるのだろうか?
ちょっと、不安。