『マリア様がみてる〜特別でないただの一日〜』感想文

毎回長々とダラダラと書いている感想文ではありますが、今回は手短に。
実は私、恥ずかしながら「とりかえばや物語」についての知識はまったくありませんでした。
祐巳ちゃんの解説を読んで、へー、そんな話なんですね。って思いましたわ。
ずいぶん嫌な感じの話だなぁ…。
源氏物語はかなり読んだんですけどね。
あ、紫式部の宮廷貴族への嫌悪憎悪が源氏物語を生み出した、みたいな話を先日聞いたんですがそれはうそだと思います。だってアレだけの物語、キャラクターへの愛情がないと無理だと。
いやいや話がそれました。元に戻しましょう。
まず劇ですが、祥子さまったらずいぶんと思い切ったことを考えたもので。まさかそんなこと言い出すとは思いませんでしたよ。スゲェ。
なんというか、この辺りで特筆すべきはイラスト!何?あの麗しさは!令祥ですか?令祥ですか?私の目には祥子さまの左肩に令さまの手が見えます!(幻覚)
でも祥子さまがちょっぴり別人28号だったりする気もしないでもない。
とにかく令ちゃんがヘタれてなくて超カコイイです(笑)
あとアリスのハリガネとバネの表現に笑った。
あ、アリスといえばまたなんかよくわかんなくなってきたんですが。おかまと女装好きとの微妙なラインかなぁ。ああわからない。それはま、ここで書くことじゃないんで割愛します。

瞳子。
薔薇の館前?での瞳子と祐巳ちゃんのやり取りはとても素敵だと思います。
瞳子の内面も覗けるというか、瞳子と祐巳ちゃんの関係が変化するターニングポイント。
瞳子はレイニーのとき以来祐巳ちゃんへの失望、それからさすがに酷いことを言ったという意識があって、きっと祐巳ちゃんは自分を嫌っているだろう=だからいい子ちゃんぶってると思う、というよりも思いたいんでしょう。
必要以上に構われたくないのかな。祐巳ちゃんのことは気になるけど色々誤解もあってまだまだ二人の関係は微妙なラインですよね。
なんか自分で何言ってるのか分からなくなってきたけどとにかく祐巳ちゃんは凄いな、と思ったシーンです。
あとやっぱり乃梨子と仲良しなんだなと思ってちょっと嬉しい。
そして花寺での祐巳ちゃん人気。
アレっていいんですかね?個人的にはむっとしてしまいましたがそれを抜いてもどうなのかなーと。
チケット争い奪い合ってってどうにも…気分的に読んでいて面白い、だけですむのか疑問でした。





さてさて。お次はやっぱり…我等が女王様、水野蓉子さまであります!
蓉子さま!女王様!パラソル以来の登場です!
もう、わたくし、水野蓉子という文字を目にした途端に叫んでしまいました。
しかも「一緒に学園祭に行こうよ」なんて言葉が出てきたときにはそりゃーもうベッドの上でローリングローリングでした。
この時聖さまは出ておりませんが、ほかに誰がいるというのでしょう?ああ、萌え。
とにもかくにも読み進めていると出てきた怪しげなスーツの二人。
(ああ、チケット裏返して生徒名を見たい)
蓉子さま、その気持ち激しく分かります!などとその時ばかりは聖蓉萌えなど頭からさっと消えうせておりました。でも!
「お待たせ」
はうっ!聖さまキタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━(  ゚)━(  )━(  )━(゚  )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!
あれでしょあれでしょ?いくら蓉子さまでも20分前に来てるのはやっぱ会うのが楽しみだったからよね?よね?私にはそうとしか思えません。
それからそれからイタリアに行ったことを知らないのはやっぱりねー、これでSS書いた人は大変だなと思ってしまったのはやっぱりSS書きの端くれだからでしょうか。
ま、これに関してはいろいろ解釈の仕方があるのでどうにでもなりますね。
会いたいけど会えないのーみたいな。
聖蓉抜きにしてここに関しては私も思うところあるのですが……。ついでだから書いておくか。
聖さまが加東景さんとイタリアに行ったということ。
仮に志摩子さんの言うとおり志摩子さんのためなのであれば、見守っているだけで聖さまは必要以上に近づいてはならない。
その点、同行者が蓉子さまではいけないでしょう。なぜならば、大切ならもう少し近付いてもいいのではないか?ということを言われる可能性もありますし、それは片手だけつないでをみれば予測できます。
何も言わないにしても自分以上に自分を知っている同行者は連れるべきではなかったでしょう。おそらく。
ならば江利子さまでは?ということですがお二人の関係から言ってその選択肢はたぶんありえない。
で、お互い適度に干渉しない間柄で言えば景さん、という選択になっておかしくないのだと思います。
さらにイタリアに行った理由が別にある場合。
なぜイタリアか。蓉子さまが言ったようにイタリアは修学旅行で行っている筈。
しかし高二といえば聖さまは栞さんのことがありましたし、それだけでなく当時は一部の人を除いてろくに他人とかかわりを持っていない、ただの友人という存在がいない状態でした。
そして聖さまがリリアンに残った理由は「学校という場所と仲よく、気持ちの上で折り合いをつけるため」なのですから。
高校までの学生生活を取り戻すというわけではないにしろ、イタリア旅行も学生生活で経験したいこと、その一環だったのでしょう。
で、まあ上記と同じ理由ですがそこで必要なのは内面を知りすぎている人ではならない(よって江利子さまも蓉子さまも不可。江利子さまに関してはなぜ?という疑問があるでしょうがあれでなかなか内面を知っていると思います。片手だけつないででの「あなたも、人間の消えた楽園に住みたい口?」というセリフに凝縮されているかと)
だから笑って、ふざけていられる初めて出来たただの友だちが同行者であって欲しいと思ったんじゃないかなと思います。
まあこれは聖蓉ファンの私が言うことですから偏った意見なのは承知です。
というかこれじゃチャオソレッラの感想になってしまいますね。失敬。
とにかくここから萌えまくりですよ。聖さまが蓉子さまの好きなものをおぼえていたことや、「聖の腕をとって」っつー一文とか同じ反応、考えをする二人に萌え萌え。
拾った女の子の名前が気になりつつ先へ…。





それにしてもねー、フジマツ縁日村ってどうなの?なんというか、パラダイス?パラダイス銀河?(古)
志摩子さんが浴衣でヨーヨー釣りの店番?
そんな!超行きたいじゃん!超見たいじゃん!志摩子さん志摩子さん!などとまたも萌え萌え。
それから特筆すべきは瞳子と祐巳ちゃんの会話ですね。
「理由?理由は――」
そりゃオネエサマだから、でしょ!
というかそれよりも私は花寺生徒会の野郎たちにどうしても憤りを感じてしまいます。
あろうことか、祐巳ちゃんにおごってもらおうとは。年上だったら分かるけど同学年だろうが。ちょっとどうかと思いますよ、この行動。
冗談だったら分かるけど本当におごってもらうなんてどうかしてますって。マジで。
ま、それはさておき由乃さんのハッピ姿はかわいいと思います!(挙手)
でー、柏木さんですよ。一ダースもどこから仕入れたのやら。やっぱメルヘンギンナン王子だからかなぁ。
とりあえずここでこの父ちゃんが可南子のパパンだということは、まあ誰にでもわかるでしょう。今回の問題はまさに可南子ですし。
とにもかくにも志摩子さんの浴衣姿の写真は一枚欲しい!
ついでにわけの分からん由乃さんと祐巳ちゃんのやり取りや、怪しい紳士二人が志摩子さんのパパンとタクヤ君だという面白さにこの辺はぶっ飛ばされ。
あ、いやそれにしても志摩子パパは志摩子さんに叱られたんですね…いいなぁいいなぁ(笑)きっとどこかで見つかってまた叱られたんじゃないかと思いますけど。
そんで聖さま蓉子さま再登場。祥子さまのクラスの企画にもビックリしましたが反復横とびに美女参加!
あぁ、見たい!ぜひ見たい!それにしてもなぜ反復横とびなのか。垂直跳びでもいいじゃないか。そしていきなり乱入する可南子も面白すぎ。どうなってるんだこの人たちは(笑)



さて。今回の新刊のおそらくメインであろう、可南子の父親問題。
可南子が父親を嫌いになったのも頷けます。これじゃあ嫌いにならないにしても父親への感情が悪化するのは当然ですよ。
祐巳ちゃんの「夫が家事をいっさい引き受けて」という場合もあっていいみたいなことを考えることに対しても疑問を感じます。本当にそれならばそれでいいですがこの父親、家事はしていたんでしょうか?
それに夢を持ち続ける、ということが良いか悪いかは別としてだからと言って働かなくても、家事をしなくてもいいという理由にはなりません。
どうにかして食べていかなければならないんですから。子供がいるならその責任は果たすべきです。
……などと私の価値観をガンガン並べても気分が悪くなるだけでしょうからこれはこの辺で。
しかしねー、どうなんですかこの父親。
相手を好きか嫌いか、さらに女の子の方がどうのとかは別としてもねー、こういう設定にする必要あったのだろうか。
正直言って受け付けられません。この手の話が個人的に嫌いなのももちろんあるんですが。
しかし最近、今野先生はどうも奇を衒いすぎてるのではないでしょうか?
ここまで重い話にする必要性は感じられないし、あまりにあっさり片付きすぎるのもいかがなものかと。
あっさり片付くのがいい場合もありますが、これはいくら何でも。もうちょっとしっかり説明付けた方がよかったのでは?
などと一読者の分際で偉そうなことを言ってみますがいかがなもんでしょう?

そいで保健室を出ると。

「ああ、あの電動ドリルか」

ついに!原作公認ですよ、瞳子のドリルは!というか追認のような気がしないでもないけどそんなことはどうでもいい。ドリル万歳!
そしてそして瞳子と祐巳ちゃんのデート!これはもう決まったね。祐巳ちゃんの妹はきっとドリルですよ。いや、瞳子ですよ。
などと思ってしまいましたわ。とにかく萌え。
そんで山百合会の劇はまたスゲェな。帝の志摩子さんなんか超面白いッスよ。偉い!さすがギガ!(笑)
はてさて、笑っているともうあとわずか。
祥子さまと祐巳ちゃんとのシーンは、紅薔薇姉妹の素敵関係を改めて感じさせてくれます。
やっぱり祥子さまってかっこいい!もう、こういうときは絶対的にカッコいいのですからもー。

そ れ に し て も 。

「あなた、妹を作りなさい」って!
抱きしめて身体を離してこのセリフ?これってどうなの―――――!!??
もう、私の脳みそでは
 あなたのことは愛しているけれど私はあなたとこれ以上いることはできないわ
 だから他に好きな人を作ってせめて幸せになってね
などと陳腐なストーリーが展開されてしまいましたよ!やばい、萌え!
祥子さま切ないよー!!と思ったところで本編終了。
とりあえずあらすじは感想から飛ばしておきます。





ああ、今回も長々と書いてしまいましたね。しかも内容もどうかと自分で思ったり(反省)
今回聖さま、蓉子さまが出てきたのは可南子の父親問題を片付けるためのコマとして、だったと思います。
しかし本当に聖さまや蓉子さまである必要性はあったのでしょうか?誰か別の人でもよかったのでは?
もちろん聖さま蓉子さまファンの自分としてはお二人が出てこられたのは非常に非常に嬉しいわけですが、疑問を抱かざるを得ません。
やっぱり読者へのサービス的な意味で出したんでしょうか。
まあ、それはそれとして、読んでいて面白かったです。ああ江利子さまはいらっしゃったのだろうかどうなのだろうか…(笑)
それではこの辺で、ごきげん蓉子さま!